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見たまま、感じたまま、思ったまま

その(2)中学時代

<中学時代>
中学生になると、俄然自意識が強くでてきて、親への反発、体制への批判、そしてヒッピームーブメントへの憧れとか、とにかくやたら背伸びをしたがるようになる。坊主頭であった学校への反抗で、たすきがけの鞄の帯に入学式の翌日から「坊主反対」など、大きく色つきマジックで書いたりしていた。
当然、聞く音楽も反体制派としてのフォークが多くなる。なぜかロックは聴いていなかった。エレキは駄目みたいな風潮があったのかも知れない。

初めて買ったLPは吉田拓郎の「人間なんて」である。これは何よりもまずタイトルに惹かれたのだと思う。しかし、中津川ジャンボリーの伝説のライブと違って、こちらの演奏はあっさりとしたものであった。代わりに僕の心をとらえたのは、「どうしてこんなに悲しいんだろう」や「マーク2」などのメロディアスでちょっと軟弱な歌詞の方であった。

中学に入りラジオの深夜放送を聞くようになる。最初はもっぱら音楽のネタを仕入れるためで、よく聞いたのはヤンリクこと「ヤングリクエスト」であった。しかし、そのシンプルな構成に飽きが来て、やがてパックイン ミュージックへと移行していく。

パックは面白かった。月曜日が小島一慶、火曜日、水曜日は??(忘れた)、木曜日はナッチャン、チャコちゃんこと、声優の野沢那智と白石何とかさん(忘れた)、金曜日は山本コータローで、それぞれ持ち味があり、さらにかかる曲も目新しく面白かった。パックは1部が1時から3時までで、その後2部がありこれが5時まであるのだ。火曜日の2部はミドリブタこと林美雄さんで、この人の新しいシンガーを発見する能力は卓越したものがあり、ユーミンや、山崎ハコも、まず聞いたのはここであった。

ころ頃、友達と貸しあったりしたので、印象に残っているLPやシングルをあげてみると、「ペニーレーンでバーボン」(吉田拓郎)、「夢の中へ、いつのまにか少女は」(井上陽水)、「雨が空から降れば」(六文銭)、「花言葉」(古井戸)「春夏秋冬」(泉谷しげる)、「心の旅」(チューリップ)、「ひらひら」(中山ラビ)、「神田川」(かぐや姫)、イチゴ白書をもう一度」(バンバン)、「ひこうき雲」(荒井由美)などかな。

衝撃的だったのはユーミン。それまでアコギのフォーク関係ばかり聞いていた僕にとって、ピアノで歌うという事自体初体験であったのだ。初めて聞かせてくれたのは、パックの火曜日第2部を担当していたミドリブタこと林美雄さん。曲はヴェルヴェットイースター」。もう夜明けが近くしらじらとした部屋に、あのピアノのシンプルなイントロが聞こえてくる。今でもその状況を思い出す。あのときも、翌日にレコード屋へ走って、1stアルバム「ひこうき雲」を手に入れたのだ松任谷由美と名前が変わった今も彼女は第一線で活躍している。どこで道が分かれたのか、最近の彼女の曲はあまり聴く機会がなくなったが、今でも僕のフェイバリッツであることは間違いない。

山崎ハコを教えてくれたのも林美雄さんだった。ユーミンとは対照的な、ギター中心のどちらかと言えば暗い音楽。その暗さと、自分自身へ向き合うひたむきさ、そして歌唱力が圧倒的だった。彼女は、最近自分が暗いと言われることに反発を感じているようだが、暗かったのだ!だからみんな彼女を支持したのである。多くの人にとって、青春時代なんて暗いモノに決まっているのだ。

この頃になると、とにかく出会いを求めていろんな音楽を聴くようになってきた。愛読書は、ヤングギターと新譜ジャーナル。自分でも安物のフォークギターを買って声を張り上げて歌うようになっていた。

その3に続く・・。


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